同期・同門の原大智(右)と切磋琢磨(せっさたくま)する桜井祐太郎(桜井提供)
テレビで暖を取れるほど、熱く盛り上がる北京五輪。中でも競輪ファンとしてモーグルの原大智(24=宮城・117期)には燃えた。前回の平昌五輪で銅メダル獲得後、競輪との二刀流に挑戦。モーグルのレベルも落とさず、世界最高峰の舞台に戻った。メダルには届かなかったが「楽しまなきゃ」と笑顔の滑走に感動。〝競輪〟という言葉をお茶の間に響かせたのも業界人として誇らしい。原選手、ありがとう!
そんな原と唯一の同門で同期の男もまた凄い。桜井祐太郎(22=宮城)。9日現在、直近4カ月でのB数(最終バック線を先頭で通過した数)は26。S級でトップだ。「一番勝利に近い戦法だと思っている」という徹底先行は既にトップクラスに通用している。
あの古性を苦しめた。1月の和歌山記念2日目。〝当て馬〟の扱いだったが「いつも通りのレースをすれば勝てると自分に言い聞かせた」とスタイルを崩さず逃げた。すると王者を捲らせず、番手の選手の1着に貢献。お見事だった。また、直近の静岡記念では格上・野原雅也を相手に逃げ切った。「ラインのおかげ」と口にするが、昨年GⅠ決勝に乗った実力者相手の逃走劇。力を付けている証拠だ
これからはより切磋琢磨(せっさたくま)できる。同じく和田圭に師事する原はモーグルを引退し競輪に専念。桜井は「お互いに高め合っていけたら」と話す。原がより近くなることで、成長が早まるに違いない。
今年の目標は「しっかり先行して確定板に乗る。まずはS級の決勝」。焦らず一歩ずつだ。風を切り続ける男サクライユウタロウ。この名前、覚えておいて損はない。
◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の26歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。今年からは中央競馬との二刀流に挑戦。愛犬の名前は「ジャン」。車券に馬券、財布はなかなか厚くならない…。